ライブドア (インターネットサービスプロバイダ)

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株式会社ライブドア(livedoor, Inc.)は、1999年に設立された、無料ISPサービスを供給していた企業である。

本店所在地は、東京都港区南青山3丁目13番18号 313南青山ビル 8階。代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)は、前刀禎明。通称旧ライブドア社または初代ライブドア社。

概要[編集]

インターネットの接続無料という画期的なスタイルから、順調に会員数を増やし、TVCMではヒロミ神田うの泉谷しげる柏原崇鈴木紗理奈等を起用した。

目標であった会員数100万人を大きく上回ったものの、黒字化へは結びつかず、またブロードバンド定額化の波に対応出来なかった事も要因となり、2002年民事再生法を申請した。

無料ISP事業、ISPブランド名及びサービスを株式会社オン・ザ・エッヂへ譲渡した(なお、オン・ザ・エッヂはライブドア(現:LDH)へと商号を変更)。オン・ザ・エッジへの事業譲渡後、ライブドアは「株式会社ヴ・ナロード」へと商号を変更、2003年7月に民事再生手続が終結した。しばらく休眠状態で登記上は存在していたが、その後正式に解散した。

オン・ザ・エッヂがライブドアへ社名を変更して以降は通称で旧ライブドア社と呼ばれていたが、その後同社の新設子会社がライブドアの社名を使用し、本体がライブドア・ホールディングスさらにその後LDHに社名変更をした為、旧ライブドアとはこのLDHを指す事が多くなった。現在ではLDHと区別する為「初代ライブドア」という呼称も使用され始めている。

また、事業の譲渡はしたものの、当ライブドアとその後のライブドア(オン・ザ・エッヂ)の間には資本関係や人的関係、合併被合併等も全くなく、関連のない会社である。事実、事業譲渡後も当ライブドアは法人格としてはしばらく存在していた。その為、ライブドアの創業者を前刀、二代目社長を堀江貴文とする説明や、「前刀氏はあの(旧オン・ザ・エッヂを指して)ライブドアの創業者」と説明するのは誤りである。

無料プロバイダ[編集]

一般的なISP事業においては、事業運営に必要なコストを会員からの月会費および接続料によって賄っているが、ライブドアの行った無料サービスでは、当初は「常時バナー広告が表示される専用のウェブブラウザを使ってもらうことで、民放のように広告料によって賄おう」というビジネスモデルを採用していた。他のISPと違い、専用ブラウザ以外によるダイヤルアップ接続はできなかった。ただこのビジネスモデルはライブドアが初めてではなく、すでにアメリカではPC端末も含めて無料というサービスが普及していた。国内でもライブドアに先んじてハイパーネットがほぼ同じビジネスモデルでISPを展開し、2000年6月にはZERO (インターネットサービスプロバイダ)が「Internet Free Access ZERO」として参入し、同年12月頃にテレビCMを大量出稿していた。

この方式では、HTML4.0以降への対応や各種プラグインの利用などについては、ソフトのバージョンアップを自社で行わなければならない、対応OSが限定されるほか新しいOSが発売された場合に対応が遅くなるといった欠点があった。

このため、後に専用ブラウザ方式を放棄し、ダイヤルアップ接続のためにNTT以外の電気通信事業者の電話回線(中継電話及び直収電話)を利用し、ダイヤルアップ接続から発生する通話料の一部を電気通信事業者からキックバックしてもらうことでコストを賄うというビジネスモデルに移行することになる。電話回線を提供する事業者にとっても、ユーザがダイヤルアップ接続することにより発生する通話料の一部をアクセスチャージとしてNTTから受け取れるので、長時間の通話が発生しやすいISPに対する電話回線の提供は旨味が大きく、キックバック分を差し引いても十分商売になるという目論見があった。しかしこのビジネスモデルは、2001年頃より普及し始めたADSL等による「いわゆるブロードバンド接続」に対応できないという問題が発生することとなり、結局一時的にしかうまく行かなかった。